テーブルゲームは常に仲間内で気軽に楽しみ、盛り上がる手段として用いられてきた。ボードゲームしかり、トランプ系統やTRPG、毛色は違うが人狼ゲームなど、多岐にわたる遊びが存在する。
これらを仮想空間上に落とし込んだものが、開発から足掛け10年、大手ゲームソフト会社Avalancheよりようやく発売された、新作VRゲーム『DAG』 ―デジタル・アナログ・ゲーム― だ。
未だ戦争の最中にあり、地方の大半は荒廃、都会と呼べる地域も縮小してしまった2050年の日本。公園が解体されたため外でも身体を動かせず、新作ゲームも出ないために中でも遊ぶツールがない。
娯楽不足では上がるテンションも上がらない。こうして鬱々とした空気が重くのし掛かっていった。
であるからこそ、これはまさに福音、あるいは天恵としか呼ぶことができない。むしろ呼ばせて欲しい!
第三区画の高校2年生、御先室 礼(みさきむろ れい)は、告知から発売まで夜も眠れないほど楽しみにしていた一人のゲーマーである。
彼女は個性の強い友人4人とDAGで遊ぶため、今日もバイト先から「お先に失礼」するのであった。
『DAG』ーーーそれは、【深層心理掘削機】。
この作品はカクヨムにも掲載していますが、こちらが先行公開です。