大陸の西の果てにあるアスロポリカという国は、近年になるまで国を閉ざしていた。
十七歳の男子学生であるスウリは好奇心から、そんな謎に包まれたアスロポリカに留学することを決める。
アスロポリカは古くから続く街並みが広がるのどかで美しい国であった。生活するうちに「魔法」なるものが国の発展を支えてきたことを方々で聞かされるものの、スウリは非現実的と受け入れられずにいた。そんな中、級友であるヴィルゼーにスウリが通う学院の魔法研究会に勧誘され、なし崩し的に入会してしまう。
スウリは次第に魔法について興味を持ち始めるが、研究会のメンバーや、アスロポリカの住人と関わっていくうちに、女王ケイプカリスと一人の魔女による、国を揺るがす大きな争いに巻き込まれていく。