中世の西洋文化に近い雰囲気を持ちながらも、どこか違う世界。
ここでは、その利便性によって選ばれた物や何かしらの思い出が詰まった物など……人々が思い思いに持ち寄った多種多様な物へと新たな生命を吹き込むことで、自身で動き、立ち上がるチカラを得たものを≪ドール≫と呼び、共に生活をしている。
それらは時に労働力として、またある時には友として……幼い頃より日常的に目に入る、仲の良い隣人の様なごくごく身近な存在。という形で人々は認識し、豊かな暮らしを送っていくうえでなくてはならない特別なものでもあった。
【リコレクト】
世界における主要都市の一つ……周囲を高い壁で囲まれた大きな街の、ちょうど中心に位置する厳かな大聖堂を有した建物の数々。
その敷地内にて、シスターや数名の子供達と共に変わることのない毎日を過ごしている一人の少女。
普段からあまり感情を表に出さないような、いつもどこかつまらなさそうにしている……そんな少女、リリーが紡いでいく物語。
優しく柔らかな環境の中で心から信頼出来る者と互いに名前を呼び合い、笑い合い……少しずつ絆を深めていく事によって、少女が歩んでいく道の先は今……静かに、色づき始める。
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