遥か遠い昔、ルフタンの国には龍が存在していた。
龍は守り神とされており、寿命約700年と言われる龍の為に一匹の龍に代々使える龍の使いの家があった。その家は人々から龍の守護家と呼ばれていた。
ローラは渓谷に住む白龍ラードーンの守護家の長女として産まれた。2年後に妹のエリーヌが産まれ、幼なじみのジオと一緒に3人で良く遊んでいた。
ローラが17歳になった時両親が亡くなり、ラードーンの世話はローラ一ひとりに託された。
その辺りから妹との関係性もおかしくなっていった。
美しく成長したエリーヌは守護家の仕事を全くせず、每日遊びほうけていたのだ。ローラの話しなど全く聞きもしなかった。
決定的だったのはローラの好きなジオと結婚し、他の町に住むといいだしたことだった。
龍は気難しい生き物で寝蔵を変える事はなかなか無い。
守護家の人間が離れてしまうと龍は怒り狂い、雷鳴や水害などを起こし、近くの街は何年も大変な被害をこうむってしまうと語り継がれている。
ローラは村を出る事を決めたジオに告白すら出来なかった…。