シスコン気味の元王女のラファリアはある日気がつくと死んでいた──。 　その日、国で叛乱が勃発。姉王女が逆賊に殺された瞬間、特殊な魔術契約によって姉と魂が入れ替わってしまったのだ。 　愛する姉の身代わりとなって死んだ彼女は、魔人なる者の手引きによって姉（注：元自分の体）に取り憑く幽霊になって、体の中から事態を眺めることに。 　人々を意のままに操る力に目覚め、国を蹂躙する異能の逆賊と、その異能を利用せんとする狂信者。異能を求める魔人達。そして姉王女をはじめとする日常を取り戻そうとする者達。それぞれが小国ラグナディアを舞台に絡み合う。 　それらの戦いはやがて、姉妹の前世に由来する太古の記憶と異能、そして異界の災厄を呼びおこす。二心同体の姉妹は災厄と魔人達との人外の戦いの場に臨むことになるが……。 　……そもそも、なんで私と姉上がこんな目にあってるんだっけ？　あれが変な異能もってるのも、割と魔人（あなた）たちのせいじゃない？　もう全部あなたたちだけでよくな……え？　なにそれ！？　なんで私に！？ 　……あーもう、来世は姉上の隣で咲いてる花にでもなりたい。 　解説役ののじゃロリ幼女と共に、ツッコミ入れる元王女さまの来世は果たして？ ※4/15　副題追加 ※主人公は重要な鍵を握っていますが、基本的にはほぼ傍観者、語り部です。 ※本話後の同世界別地域での話を別作品として始めてます。 　https://ncode.syosetu.com/n1943gp/

　かつて誰もが魔術を使えた世界。だがある日突然魔術は衰え、多くの者は魔力を失った。魔術は才能ある一部の者だけしか使えない能力となったのだ。 　各国は衰えた魔術の代わりの力を求め、その一つとして属人的な異能「仙力」が注目されるようになる。 　魔術衰退事件から二十数年。身体能力を引き上げる仙力【金剛】の素質と、類いまれな武の才能を持つ少年ロイは、その才により平民ながら士官学校に特例入学し、己の力を磨いていた。 　そしてある時ロイは魔物狩りの実戦訓練中にそこにいるはずのない魔物……巨大な竜に襲われる。竜が開けた大穴に転落したロイは、その奥で古代から眠り続けていた少女と出会った。 　それは同じく古代から蘇る魔物たちと、ロイたち仙力使いとの戦いの幕開けでもあった。 　やがてロイは己に宿る仙力が、本当は【金剛】だけではない事に気付く。それは真価を発揮できれば、世を救う英雄にもなれる力。その力をもって彼は異形の魔性、そして蘇る『災厄』に立ち向かうことになる。 　ただ、その真価発揮のためには……。 「……どうしてこうなった」 「だってそれが一番効率いいんだもの」 「仕方ないデス」 　……英雄を目指すのも、好きな娘たちを守るのも、楽じゃない。 　※タイトルは「ぐぜのしょうねん」です 　　基本は剣と魔法 + 個人の異能に、中華風味トッピングとSF風味の隠し味が混入している世界になります