「レヴナント」 　クラスの一軍に所属する、無敵の女子高生の「私」。ただ一つ、弱点があるとすれば、最近気になるクラスメイトの男子、友貴の存在だった。彼の不思議な言動に翻弄されながら、「私」は、ある一本の映画と、ままならない恋の結末を、知ることとなる。

「怪-想」 （かいそう） 　高校一年生の鈴木帆高が、目がさえるほどの黒髪美人で、オカルトマニアな先輩・千夏に誘われ「超常現象研究会」なる、怪しげな団体に勧誘されてからはや半年。大学入試を控えているというのに、千夏先輩は今日も今日とて、心霊スポットの話に花を咲かせる。今回のテーマは、地元では『ネオジョウ』と呼ばれ恐れられる、奇妙な建造物についてだった…。

「WELLNESSを祈るすべ」 （うぇるねすをいのるすべ） 　前作『SLUICEをすべるすべ』の続編に当たる短編ですが、前作を読んでいなくても楽しんでいただけます。

「追想かける私たち」 （ついそうかけるわたしたち） 「大小かねる私たち」の続編に当たる短編ですが、前作を読んでいなくても楽しんでいただけます。

「橘銀子と鋏の病」 （たちばなぎんことつるぎのやまい） 　人と人の縁──本来、偶然の産物でしかないそれを、策略と計略によって、思いのままに結びつける出会いのプロ『出逢わせ屋』。そんな『出逢わせ屋』を、とある高校の空き教室にて、春の季節だけ、期間限定で（勝手に）開店するは……学内では知らない者はいない女子生徒・橘銀子。徹底的な人間性と、黒縁メガネがトレードマークな、依頼成功率100％を誇る〝春の妖精〟である。

題名：「神回避の慧悟くん」 （かみかいひのけいごくん） 「夜ふかし」を題材にしたテーマ小説です。 牛

「カルトとと」 （かるととと） 　まるでカルトの教祖のように魅力的で、カリスマ性のある女子高生、北方夕陽。そんな彼女を頼りにするは、恋する後輩女子、現実に不満を抱えた同級生、自殺志願者の男…などなど。夕陽に惹かれ、次々と〝救われて〟いく人々と、そこに隠された彼女の本当の「願い」を描いた群像劇。

「大小かねる私たち」 （だいしょうかねるわたしたち） 　時は1980年代。何もかもビックサイズだったこの時代に、高校二年生の少女・ゆめは、クラスメイトで憧れの存在である「メアちゃん」に告白しては、冷たくあしらわれる日々を送っていた。彼女は大きなものを愛する〝ビッグ・マニア〟で、ちんちくりんのゆめは対象外なのだ。そんな時、ゆめはメアちゃんから「妹を探してほしい」と頼まれる。愛する彼女の願いを叶えるため、ゆめが頼った方法。それは学校でひそかに流行っている『鏡のおまじない』だった…。

「SLUICEをすべるすべ」 （するーすをすべるすべ） 　中学一の不良・広は、停学明けの登校日、腕に【緑化】という腕章をつけたヤバい女・東香と出会う。「緑化サークル」なる、地元や学校を緑化することを目的とした団体を、たった一人で立ち上げた彼女は、広の武勇伝を聞きつけて、彼を二人目の〝メンバー〟に勧誘するべく、やって来たのだった…。