魔法が支配的な八つの世界からなる平面世界「魔法界」。幾星霜の歴史を積み重ねてなお神秘に満たされた大地で、中級冒険者としてその日暮らしの日々を送っていたスメラギはある任務を境に魔法界を巡る大きな運命の渦中に呑まれ始める。 　二十一世紀。「世界樹の根」に貫かれ、地球は「科学界」として八つの世界からなる「魔法界」の一部として組み込まれ、「魔法」という新たな物理法則を獲得した。行き場を失った末、「根」を通り科学界へと入植した新たなヒト種等はその魔法技術を駆使して海洋上に九つの島を創造した。数年の後に科学界の国々と提携し、新たな魔法研究の拠点となる島々の一つ、第七国際魔法研究島で暮らし始めた希詠亜真人はある日、一人の美少年を拾う。