彼氏のスマホを見るような女は、バカだと思っていた。
見たところでいいことなんて、一つもない。
何か見つかったとしても、何もなかったとしても、その瞬間から信頼は壊れる。
そんなことをする女は、バカだ。
私はそう思っていた。
だから…
きっと私は、罰を受けたのだと思う。
「クラウディア・アーリントン。君との婚約は、今日この場をもって破棄する」
静まり返った会場に、王太子カミルの言葉が冷たく響いた。
ドレスの裾が揺れる。煌びやかな会場の中央で、彼だけが堂々と、まるで正義を貫く英雄のような顔をしていた。傍らには、華奢であどけない少女エミリア・ロッシュ伯爵令嬢が寄り添っていた。
新しい婚約者であることを、彼は声高に宣言した。
「理由は明白だ。君はエミリア嬢に対して、たびたび嫌がらせを行っていた。それについては証人も……」
二股されたショックで事故死してしまった私は、クラウディアという侯爵令嬢に転生していた。
これは婚約破棄のショックで転生したことを思い出したクラウディアが追放先で闇魔法を目覚めさせ、国を変えていく話。
レイティングは念の為です。
スピアノベルス大賞1 パッシュ大賞 アイリスIF7大賞 ESN大賞9 婚約破棄 闇魔法 冒険者 無双令嬢 追放令嬢
読了時間:約50分(24,970文字)