かつて巨大な戦争があった。それは人と、人ならざる者との世界の覇権を賭けた激しい闘争。突如として人類を襲ったその存在の名は『死役の血(イモータル)』。人に近い外見を持ちながら、『魂』という概念を持ち、不死の能力を操る者達。
数で圧倒的に勝る人類は、その『殺せない』敵に蹂躙された。
だが、とある『死役の血』の裏切りがもたらした、一つの技術が人類を救った。
その名は、『SOUL EDGE』。
魔術とも科学とも異なる、己の魂を具現化する術。魂を切り裂き、『死役の血』は愚か、全ての生物をいとも容易く絶滅させる禁断の刃。
数で勝る人類がそれを手にした時、後に『魂絶戦争』と呼ばれる戦いは終結した・・・
それから三百年後。
今や、『死役の血』が伝説に語られる空想の生物と同列に並べられるようになった頃。
城壁都市『ウロボロス』の騎士団に所属する青年エルスは、過去のとある出来事によって天涯孤独と成り果てていた。その時の体験が元となり、彼は理不尽を憎み、誰かを守る事を生涯の目的として己を鍛え上げた。駐在する騎士団の中でも指折りの実力を手に入れた彼だったが、心には常に空白が付きまとう。守るべき者を失った彼は、一体何を守ればいいのか?
そんな鬱屈とした日常を送る彼が、とある少女と出会うとき、彼の魂は加速し始める。
理不尽が再び世界を覆う時、抗う魂が刃となって敵を討つ。
これは、『抗う』事を選び続ける戦士の物語。
『立ち向かう』事を選んだ者達の、剣戟冒険譚。
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作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル]
残酷な描写あり
最終更新日:2014年04月17日
ファンタジー 冒険 剣 異種族
読了時間:約163分(81,175文字)