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連載 28エピソード
世は戦乱の時代。 世が明け、そして沈むまで砂煙が舞い、 日の光が途絶えようとも火の粉の灯りでまた絶え間なく 世は照らされてゆく。 人々は心より安堵できなかった。 同じ大陸で分離した"領土"と"軍事力"を巡る争いは絶え間なく、人はまた今日も朱く染まり、 恐怖を恐怖で拭う人の性を愁き、 "国"が一つになるその日をただひたすらに、待ち望んでいた。 一方、戦乱の舞台より隔離されし近隣のある小さな島国で、一人の青年が暮らしていた。 その島国には人間の容姿に猫耳と尾が生えた赤眼の戦闘民族が隔離されるように存在していた。 青年はその赤眼の戦闘民族と人間との混血として生誕し、特有の猫耳や尾がなく、 それはまるで"人間"そのものだった。 国の領土争いに古より軍事目的で、人間によって利用されてきたその島国の者達にとって、人間は忌み嫌う存在であり、その青年もまた苦難の道を辿っていた。 親の他界により身寄りがなく、一人の老人の家で保護されたその青年は日々差別に苦しみ、 気弱でこれといった取り柄もなく、虐められることにももはや慣れていた。 そんな青年にとって唯一の繋がりであり支えだったのは大好きな姉と、共に同じ家で育った家族、幼少の頃に友達から譲り受けた碧い首飾りだった。 誰かとの繋がりが欲しかった。それを望んでも叶わない日々が続いていた。 夢も希望もなく、途方のない日々に疲れたその青年に追い討ちをかけるように、唯一の繋がりを断つように、 他国の戦火が青年の住む場所へ降り掛かった。 どうしようもない絶望感に襲われていたその青年の前に、島国を守る戦士達が登場する。それは国を守る防衛組織、"紅刃那(べにはな)"と呼ばれる者達だった。 絶え間なく降り掛かる戦火の、燃え上がる炎の中に立つその戦士を見たその青年は、心が打ち震えた。 避けては通れない時代の刃先に立つ者達の、勇気と強さ、優しさに触れたその青年は やがて時代を動かすべく、時代との戦いに立ち向かう覚悟を決める。 これは後に、戦火轟く世の時代を変えるほどの大きな舞台へ踏み出した、 戦いと友情、そして恋愛を描いた 一人の青年の物語。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2021年02月16日
身分差 悲恋 ヒストリカル オリジナル戦記 青春 IF戦記 時代小説 異能力バトル ヒーロー 怪獣 猫耳 猫 恋愛 友情 読了時間:約218分(108,807文字)