その国は奴隷で成り立っていた。支配層は人間の味方をしていたはずの精霊を食いつぶし、強欲になっていく。
奴隷には理由が必要だった。生まれつき何かが欠けているだとか、相応の何かが。そうでなければ自分たちと奴隷に区別がないように思えたからだ。
しかし奴隷は足りなかった。あるとき、生まれたての奴隷の子どもの片目を故意に潰し、生まれつき不出来だと言ってのけた支配層の人間がいた。
それが、始まりだった。
精霊の「歌姫」トゥパールと奴隷の少女ウルイが王国の因習を断ち切るその日、全ての魔法は終わりを迎える。
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