身体の弱い俺は口減らしのため、森へと捨てられた。
一人になった俺は無力で、すぐに死が訪れてもおかしくないーー。
そんな恐怖の中、幼なじみのシストラが助けにきてくれるも、その背後から魔族が忍び寄る。
魔族の狙いはシストラ。
なぜなら彼女は『命と引き替えにどんな願いも叶えることができる万能の能力』を持っているからだ。
無力だった俺はシストラを助けることもできず、彼女に請われるまま願う。
俺の願い、それは――「シストラを幸せにすること」
そうして死んだ俺と彼女は、同じ時代に転生する。
今度こそ彼女を幸せにしようと努力するも、彼女はまた非業の死を遂げてしまう。
再びの転生。そして死。
百億回の転生で「彼女を幸せに……」と願いながら死と鍛錬を積み続けた結果、俺は圧倒的な力を手に入れた。
しかし、俺の魂はボロボロにすり切れていた。
もう転生することはできない。
今回が本当に最後の人生。
俺の強さがあれば、世界を救うことも、口減らしした村の危機を救うこともできるが、そんなことに気をまわしている場合ではない。
シストラの前に立ち塞がる敵をすべて排除し、彼女を絶対に幸せにする!
全ての力を彼女の幸せのためだけに使うのだ。