初老にして怪盗デビューした私は、着実に大怪盗への階段を上がっていた。前職はなんと警察官だったというのに。嘘ではない。でも、あまりビビらないでいい。子供の頃の夢が怪盗だったし、何かを始めるのに遅いなんてないのだ。一度きりの人生なんだし。だけど、怪盗と泥棒の違いを聞かないでくれるかい。
そんな時に、怪盗団の仲間が、怪盗活動とは全く関係のない事件の容疑者になってしまう。もちろん冤罪だ。我々怪盗団は悪者からの盗み以外の犯罪を犯すつもりはないのだから。今のところは。
なので、以前のミッション中に偶然にも警察の捜査を手助けしてあげた事や昔のコネを使って、拘束されている仲間を釈放してくれるように頼みに行った。それが、このような展開になるとは……。
大怪盗が名探偵になれるのだろうか?
なれる、と言うしかない。それに私には仲間がいる。足を引っ張るかもしれないが仲良しの仲間が。
波風の立たない人生と波瀾万丈の人生、楽しいのはどちらかな?