右頬に痣を残したまま、玲奈は増田家にやってきた。それを目撃した
和也はとても驚いていた。傷ついた子供を見るなんて、初めてのことだ
ったのだろう。
「心配するな。俺たちはどんなことがあっても、絶対叩いたり殴ったり
はしないから。だから安心しろよ。この家にいる限り、玲奈のことを守
ってやるからさ」
当時8歳の力強い雅治の言葉だった。幼いながらも玲奈の記憶の中に
は強烈に残っている。この世界にこんな温かい家族があるなんて、想像
もしなかった。そして「守る」という言葉が、こんなに力強いものであ
ったということを。
血の繋がらない三兄妹のラブストーリー。
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