高校二年生の水島祐未は、父親から『草の根BBS』の電話帳という本を見せられる。そこには、十数年前に日本各地で運営されていた小規模パソコン通信システムへアクセスするための電話番号が掲載されていた。祐未は、電話帳の中に自分が以前住んでいた離島の局番を一つだけ見つけ、好奇心で電話線を自分のパソコンに接続し、アクセスをはかる。もう、とうの昔に廃止されたと思われたその草の根BBSはまだ存在していた。BBSに残された書き込み日時の最新の日付は1999年。ユーザ登録して毎日のようにアクセスし、当時の常連ユーザたちの喧嘩や恋のやりとりを面白おかしく読んでいた祐未だが、ある日、草の根BBSを運営している管理者から自分宛に「ぼくは13年前に人を殺した」というメールが届いているのを見つける。それは、ある迷宮入り事件の真実の序章だった――――。*[この小説はpixivに作者本人が重複投稿を行っています]