小学生のころ、初恋の女の子が亡くなった。
心にぽっかりと穴が開いたまま生活すること数年。高校生になっても無難に生活していた。
ある日突然、形上仲良くしていた4人組で異世界に召喚されてしまう。
勇者として召喚された僕は、魔王を討伐することを命じられる。
現実でも異世界でも生きる理由がないので、とりあえず命じられた魔王討伐を目標に異世界を巡る。
ーー
「その勇者は悪い人です」
とある町で幼い少女に言われる。怯えた声で呟かれる。町全体がパニックになる、
今まで優しかったすべての人間が敵になる。嫌になる。
僕は逃げ出す。魔王を討伐してさっさと人間界に帰ってしまおう。
しかし……その魔王は……
僕のすべてと言っても過言ではない、死ぬほど愛おしい"彼女"だった。