私、モルブティーナ・アト・ウィタルは魔法学園2年生を二度繰り返している。今回で三度目だ。時の守護者と名乗る白い男に代償をを支払い、また死ぬ1年前に戻ってきた。今度こそ死なずに一年先の未来を拝みたい。その目的のため、過去二回の死因を探る日々。そんなある日、忍び込んだ禁書室で腕にナイフを突き立て血を流す男子生徒、ウィリアム・カールハタンを目撃する。どう見ても自殺現場でしかない状況に慄きつつも、気を失ったウィリアムの手当をした。
その行動が己の運命を大きく変えたことも知らずに──
「オレの仲間になって、オレを殺してください」
「睡眠薬の飲みすぎかな、今とんでもない幻聴が」
「幻聴ではありません。なお、了承以外の言葉は遺言になります。返答は慎重になさった方がよろしいかと」
「勧誘が物騒すぎる」
時を繰り返す魔薬ジャンキーと、のちに魔王となる自殺志願者が描く悪雄奇譚、ここに開幕。
異類婚姻譚 コメディー タイムリープ 魔法 学園 中世ヨーロッパ風 魔法薬に狂う女主人公 希死念慮持ちの敵 爆発ちゃう系男子 苦労性な勇者 キノコ狂いの聖女 ダークヒーロー 英雄譚の書き手側
読了時間:約22分(10,958文字)