トワ・ルーティスは非常に困っていた。いつでもどこでもそこにいるだけで絡まれる体質の彼は、いつものようにイチャモンをつけてきた柄の悪い男たちに絡まれていた。どうにかこうにか平和的な解決策を思い付こうとするものの、時間がないという焦りからかいい考えは出てこない。早くしないと、奴らが来てしまう。ケモノが、美しい色を持つ、ケモノ、が。解決策を生み出せないままにタイムリミットが来ると、トワはすぐさま諦めた。諦めざるを得なかった。―――ひどく美しく残酷なケモノと称される二人組の片割れの彼女は、すでに狙いを決めている。