とある研究機関で人体実験に心血を注いでいた男の幕間

コンビニ夜勤として働く大学生の椚　晴政は働き始めてから厄介なお客様と遭遇する事が多く、お店の人達からは「可哀想」「厄払いしてきたら」等と同情と哀れみの目を向けられていた。　本人は至って普通に働いているつもりだが、今日の夜勤も澄んだ静寂を振り払って厄介なお客様が来店し、頼りになるのは社員として働く上司の佐藤さんだけ。　暗闇照らす深夜の箱庭で晴政は今日も仕事に追われる。

　そこはどんな願いも叶えてくれる素敵な店であるが、強く願わねば入れない不親切な店。そこはどんな勇気も形に変えてくれる素敵な店であるが、縁を結び、縁を切る事も出来る怖い店。 　長い時を掛け形を変えながらも多くのおとぎ話に登場する摩訶不思議な店に来店する“あっち側”と“こっち側”の人々。両方を繋ぐ店に来るのは客か、それとも人々を“気まぐれ”で導く神々か。 　そんな店の店主である男性と従業員である女性が来店されるお客様の願を叶たりする話。