この世界には魔力があった。魔法が使えた。ただし軍もあったので、幸か不幸か、魔力適性があったハノーニアは幼くして徴兵され、あれよあれよという間に軍人となった。
「軍人兵士、暇がいい」
そう昔独り言ちた少女は、今では魔導歩兵の一人として、銃を撃ち、戦地を駆ける。
襲撃にぶち当たって満身創痍になりつつも、上官を助けて覚えが良くなったり――と、きっと運は悪くない。
悪くは、ないのだ。きっと。
※乙女ゲームの兵士その一に転生した彼女と、そんな彼女に自称一目惚れした最高官職。そんな、恋愛ごとに関してはきっと訓練兵以下の二人と、そんな二人と見守ったり巻き込まれたりする周りの話。
※自サイトにも掲載しております。