この世界では10歳の時に、運命が決まる。
それは、その年に魔法とスキルの適性が決定するからだ。
良い適性結果はその者のステータスの代わりとなり、良い教育、良い仕事、良いパートナーにも恵まれることになる。
しかし、魔法使いの名家に生まれた少年が適性とされたのは、たった一つのスキルのみ。
それは稀に出るハズレ扱いの【透過】スキルであった。
「お前はこの家の面汚しだ。金だけやるから出て行け」
なけなしの金と共に家を追放された少年は、物を少し透かす程度だと揶揄される【透過】スキルを極めると決意する。
そこから30年、孤独に【透過】スキルの修行を続けた男は、物を透明にするだけでなく、自らを完全な〈透明人間〉にできるほどスキルを成熟させていた。
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第一章は最強ハーレムパーティ結成までの物語です。
※2021年9月26日 改題と物語の方向性を少し修正。