魔女レイスと、老人から若返っていく呪いを負った龍人リュカの三百年の恋のお話。
ある日レイスが街で歩いていると、ホームレスらしき老人を見つける。真っ白な髪に痩せ細った手足。その老人は足が悪いようで、何度も何度も、立ち上がろうとしては転んでいた。とっくの昔に悪くした足ならば、きっと動かそうなんて思いもしないだろう。まるで、いつか立てると信じているかのようで。彼の目に、年老いた人間の諦観は宿っていなかった。姿に似合わぬ強い意思を宿した瞳に惹かれて、気がついたらその場から動けなくなっていた。またも転んだ老人の前にしゃがみ込み、手を差し伸べる。「家がないなら、うちに来ませんか? ――貴方の名前は?」長い時間をかけてかろうじて聞き取れた言葉。それは、前世でプレイしていた乙女ゲームに出てくるキャラクター。リュカ・フォラントの名前だった。
Pixivに載せた若返りネタ(削除済)を改稿して投稿してます。