小森引雄(こもりひきお)は大学受験信奉者であった。そのため、高校三年間はひたすら勉強に明け暮れた。しかしながら、大学に入学してみると、彼の周りにいるのは唾棄すべき無学で無知な人たちだらけで、引雄は彼らと全く打ち解けることができず、孤立し、自分という存在を全否定されたような気持になり、彼のアイデンティティは崩壊してしまう。その後、大学には行けず、両親に実家へと引き戻されることになった。週末は両親と三人で外出するも、全く彼の心が癒されることは無く、ひたすらに日々が過ぎていくばかりであった。クリスマスの日、彼は商品を漁っている両親を差し置いて一人ショッピングモール内をぶらぶらしていた。しばらくすると、彼は、絶対的な孤独感に陥り、絶望し、店内を走り回って人を探した。すると、彼は本屋で光を放つ人に出会い、無限に続く道を見て、生きていくことを決意した。その日の晩ご飯のときに、彼は父親に思いのたけをぶちまけ、両親からの独立宣言を果たしたのであった。