作品一覧全2件
連載 24エピソード
世界は無数にある。同じ様な世界でも、どこかが違う。 他人からすれば、その世界は歪かもしれない。 けれども、その世界に住むヒトたちにとってはそれが当たり前で、それが現実だ。歪だなんて思わない。 誰かが言った。『誰もが主人公』なのだと。 なら、歪な世界ではどうなるのだろう。 これは、どこかの世界の物語。歪でおかしくて、壊れていて、語呂の悪いお話。 助けて。誰もが言った言葉。誰もが見て見ぬ振りをした言葉。 それでも『助けて』を言えなかった少女がいる。そんな言葉を知らなかったから。 だから少女は『助けて』と言えない。 ならば誰かが手を差し伸べれば良い。『助けて』という言葉を教えてやればいい。そうして少女も『助けて』を言えるようになる。 少女は優しかった。少女は強かった。少女は魔性だった。 少女の善意で、人が狂ってしまった。狂ってしまった人は少女を手に入れるために全てを壊そうとした。 果たして誰が悪かったのか。少女が悪かったのか。それとも別の誰かなのか。 けれども、ひとつだけ言えることがある。 世界が、その少女を愛している。 それが、その少女にとっての幸せとは限らないけれど。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年07月22日
シリアス 女主人公 人外 近代 妖怪 神 読了時間:約173分(86,150文字)
連載 2エピソード
宇宙は広大で、数多の星がある。星には王がいて、民がいて、争いがある。 小さく、弱く、愚かな星、地球。様々な星が地球という星を嫌い、侵略していた。 「迷惑な話だよね」 そう呟いたのは、遠く離れた銀河にすら名を轟かせた英雄だった。英雄の目に光はない。 敵を殺す度、人々に称賛される度に、英雄の中からなにかが消えていく。何かを守り、何かを傷つける度に、英雄は誰かを惹きつけ、人ではなくなっていく。 英雄は言う。自分は戦いの中でしか生きられないのだと。戦うことでしか、生きる意味を、己の価値を、見いだせないのだと。 英雄の名は橋本穂乃香。平凡だった人間は、大切なものを失い、そして武器を取った。 穂乃香が無垢な少女であった時代。少女は魔法に憧れた。魔法少女になりたいとさえ願った。 だが深淵に触れたあの日から、少女にとっての魔法は敵を殺すための道具になった。憧れの対象ではなく、あって当たり前の武器だった。 少女は人を殺した。敵だったから。殺さなければ途方もない数の犠牲が出るから。 少女は囚われ続けている。過去の幻影に。己の罪業に。 にゃあん。一匹の黒猫が悲しそうに鳴いた。 「世界は、君が思っているよりも、ずっとずっと優しいんだよ」 遠くの星で呟かれたその言葉は、少女には届かない。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年04月27日
ネトコン13 女主人公 人外 現代 魔法 読了時間:約19分(9,500文字)