かつては栄え、今では過去のものとなったとある文明。その時代に築かれた叡智と残された遺産の数々は、現在を生きる全ての人々を魅了した。世界は遺跡探索に沸き立ち、多くの者が探索者として名乗りを上げた。しかし、その流れは長く続かなかった。遺跡には人を襲う怪物と、そこを守護する強力な兵器群が存在した。遺跡を目指したほとんどが彼の地に屍を晒した。そうして大多数が夢破れる中、一部の者達が遺跡から遺物を持ち帰ることに成功した。その者達は持ち帰った遺物によって、巨万の富と武力を得ることになった。その結果、遺跡探索の流れは再び加速した。大探索時代の始まりである。遺跡に数多の人間が夢見る中、一方で古の叡智を手に入れたある者達は、遺物の力を用いて新たな世界と秩序を作り上げ始めた。その動きに旧来から存在する国々は強く反発する。当然の帰結として両者は衝突した。大半が国家連合の勝利を予想する中、されどその決着は一方的な結果で終わりを迎える。新勢力の圧勝である。戦争した国々は瞬く間に遺物の力で滅ぼされた。その後国を滅ぼした者達は、旧来の国々と遺跡の存在する全ての地域の間に境界線を引くと、その中に新たな法と秩序を敷き、境界内の全土を限定的な無主地と定めた。そしてそれぞれが長として境界内で独自の勢力を立ち上げ、そこに君臨した。
それから数百年後。第一境界線内に存在するある都市で、一人の若者が探索者になることを決意した。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年02月17日
シリアス 冒険 成り上がり 遺跡探索 魔術 銃 頭の中の相棒
読了時間:約1,187分(593,494文字)