幼稚園に通う私は不思議な少女と出会った。
可憐に見えた彼女は、声を掛けた私にこう言った。
「私と遊んでくれるなら、他の女の子と話をしてはだめ。私もあなたとだけ遊ぶ。それでどう。」
彼女の奇妙なな言動に振り回されながらも、二人は楽しく一緒に遊んで暮らした。
ところが、不可解な親の都合が二人の時間を消してしまう。
「優しくしてくれてありがとう」
幼い彼女は、最後にこの言葉を残して私の前から去って行った。
このお話は、桂の木の下であった遠い日の追憶です。
追憶 京都
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