「あなたこそ、まさしく正義の味方!」
助けた少女は、なんかめんどくさいエルフだった。
役立たずとパーティーを追い出された男、ネイン。無職一日目、彼が思わず助けてしまったのは、ちょっとはちゃめちゃで過剰に善良な、エルフっぽい少女だった。
「さすがはネインさん! こんなにもすごい魔法を使えるなんて!」
「初級魔法だからな……?」
「やっぱりあなたは正義の味方です!」
「まだ何もしてないんだが……」
少女の純真で重すぎる期待が、無職のネインにのしかかる。
ちょっと面倒な町の依頼が、無一文なネインの行く手を阻む。
果たしてそんな状況で、ネインはまともでゆったりした生活を送れるのか!?
「ネインさん、東に困った人が!」
「……はいはい」
送れるの、だろうか……