そして、黒宮悠也は人殺しになった。
こんなはずじゃなかった。魔術や幽霊なんて存在するはずがなくて、原因不明の昏睡事件も噂に聞く程度の他人事で、死んだはずの少女が生き返るなんて物語の中でしか起こり得なくて。
殺人が横行する魔術師の社会なんて、知るはずもなかった。
始まりは5月のとある夜。
陰謀渦巻く魔術師社会の一端を知った悠也は、不死身の少女――彩夜と共に事件を解決するため奔走する。その結末が彼を人殺しに堕とすものとは思いもせずに。
これは、罪を犯した少年少女の物語。
◇第五章完結しました。
◇読みやすさを考慮して随時空行を追加中です。