作品一覧全10件
代表作 連載 完結済 8エピソード
主人公カンナは死人を乗せる船:幽霊船:を作って旅をしていた。 船には恨みも妬みもない。 幽霊は誰かを呪うことも驚かすことも考えずに、死後の人生を楽しんでいた。 酒を飲み、催しを楽しむ愉快な日々が続く。 行く当てもなく、船は音を立てずに進む。 そんな争いのない日々の中で、カンナの元に1通のメッセージが届いた。
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ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2025年05月17日
シリアス ダーク 男主人公 日常 幽霊 読了時間:約50分(24,967文字)
連載 完結済 4エピソード
愛していた彼女が死んだ。 残されたのは思い出と二人で語った理想、それに生前購入した当せん金付証票。 それを機に、それまで彼女以外の女性からは相手にされず、会社でも嘲られていた人生が一転する。 当選したのは一等の五億円。 知り合いや異性など、たくさんの人たちが、お金を求めて僕のもとへやってきた。 誰もが羨むほどの大金を手にした僕の人生は、彼女と暮らしていた日々とは一転して一目置かれるようになった。 誰もが僕と関係を持つことを求めるようになった。 躊躇もプライドもなく、ただ欲望に忠実にすり寄ってくる様子はどこか気持ちが悪く醜い。 人の目には、自分に都合のいい相手は素敵な人に映るらしい。 手に入れた五億円と失った彼女のことを考えながら、今日も平凡で色のない日々を送る。
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ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2025年04月27日
シリアス 男主人公 現代 日常 青春 読了時間:約23分(11,201文字)
連載 完結済 4エピソード
僕「ゆうた」は小学生の間で「廃墟の花子さん」として噂されている。 僕は廃墟のトイレに住んでいて、誰にも気づかれないようにひっそりと暮らしていた。 「花子さん」として肝試しに来る子供たちが昼夜問わずトイレを訪れるようになる。ゆうたは毎回ノックされて名前を呼ばれ、驚かす役をこなす日々を送っていた。 トイレでの生活もつまらないし、昔やっていた野球や学習塾も続かなかったことを思い出しながら、どんどん気分が落ち込んでいく。 また階段を登ってくる足音が聞こえてくる。 「またか……」 そう思いながらゆうたは次の訪問者を驚かす準備を始める。 そして、扉がノックされいつものようにその役割を果たそうと腰を上げた。
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ホラー[文芸]
最終更新日:2024年09月16日
ギャグ ダーク 男主人公 近世 幽霊 ホラー コメディ 読了時間:約17分(8,210文字)
連載 完結済 7エピソード
私は友だちがおらず、日々、教室の隅っこで本を読んでいた。 放課後の掃除を五人で行う予定だったが、他の生徒は帰ってしまい、結局は私とクラスメイトの五味葛乃さんの二人だけが残った。 五味さんは普段あまり話さないタイプで、私自身も彼女がなにを考えているのかわからない。 いつも不機嫌そうで変わってもいたため、苦手意識があった。 掃除が終わった頃、そんな五味さんから声をかけられた。 彼女は「頼みがある」と言い、一緒に来てほしいと言った。 私は戸惑いながらもその頼みを受け入れ、五味さんに連れられてある場所に向かうことになった。
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純文学[文芸]
最終更新日:2024年08月25日
シリアス 女主人公 現代 冒険 ノスタルジック 読了時間:約21分(10,097文字)
連載 完結済 7エピソード
『これは死んだ僕と残された彼女の物語だ』 彼女を置いて死んだ僕は、孤独に苛まれる彼女を見守っている。 僕は地縛霊として二人で暮らしていた部屋の隅で彼女の生活を眺めることしかできなかった。 成仏できない理由は僕自身もわからない。 彼女を置いて死んでしまったことへの後悔か。 伝えたかったことがあったのか。 それ以外のことか。 いくら考えてもこの世から消える方法を思いつくことはできなかった。 どんなに元気づけようと声を出しても言葉は届かない。 恋人を失った悲しみに苛まれて生きることを苦痛に思っていたのは、僕も彼女も同じだった。 心の傷を癒すのは時間と人間関係だけだ。 死んで彼女に触れることができなくなった僕に彼女を元気づける術はない。 ただ沈んだ彼女の日常を傍観していることしかできなかった。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2024年07月11日
シリアス 男主人公 現代 悲恋 恋愛 幽霊 読了時間:約48分(23,509文字)
連載 完結済 6エピソード
大学から帰宅して家の扉を開くと、知らないお姉さんがいた。 背が高く、長い黒髪は艶がある。僕の理想のお姉さんだ。 そんなお姉さんの抱えた事情を聞いた僕は、半信半疑になりながらも恋人ごっこをすることに。 正体不明のお姉さんの目的は……
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2024年07月07日
ダーク 男主人公 日常 お姉さん 年上 読了時間:約22分(10,503文字)
連載 完結済 6エピソード
やっとのことで与えられたユニホームは汚れることなく返すことになった。 練習も監督からの信頼もすべて無駄になった。 小学生の夏、怪我をしてしまいそれまでに積み重ねてきたすべてが失われた。 補欠にすらなれない僕が野球を続けたところでいいことなんて一つもない。同じチームの男の子は体格に恵まれていて、ボールを遠くへ飛ばす技術を持っている。どれだけ練習してもスタメンになれない僕には才能がなかった。 野球が嫌いになった。 グローブもボールも捨てて楽になりたい。 そんな悩みを抱えたまま入院した先で出会った年上の女性。 彼女は僕にはない真っ直ぐさと明るさを持っていた。 近い距離感と純粋さは煩わしかったが、どうしてか嫌いになることはできなかった。 僕はそんな彼女に憧れていた。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2024年03月17日
ほのぼの 男主人公 和風 平成 日常 青春 年の差 おねショタ 年上女性 読了時間:約20分(9,623文字)
連載 完結済 10エピソード
『子供たちは林の中には入ってはいけないよ』 この小さな村にはそんな掟がある。 もし掟を破ってしまったら相応の罰が下されることにもなっている。 だから俺たちは林の先になにがあるのかを知らない。 そんな知らない場所に、父さんは月に一度行っている。 そこで父さんがなにをしているのか。 なにが目的で村を出ているのか。 そもそもこの林はどこまで続いているのか。 俺はなにも知らなかった。 今日も先月と同じように、父さんはスーツに身を包んで家を出た。 「行ってくるよ」 腕に時計を巻いて鞄を脇に挟んでそう言った。 そうして少しの間、一人で留守番をすることになった日、俺は見覚えのない一人の少年と出会った。
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ハイファンタジー[ファンタジー] 残酷な描写あり
最終更新日:2024年01月14日
オリジナル戦記 日常 サイコホラー シリアス ダーク 男主人公 読了時間:約46分(22,810文字)
連載 完結済 4エピソード
村から逃げ出して夕陽が三度落ちた。 集落はおろか人一人出会うこともない。 村の外がこれほど薄暗く気味が悪い場所だとは考えもしなかった。 穴の空いた布切れを見に纏い、静かな森をひたすら歩いた。 日の落ちる時間が早いこの時期は冷え込む。 村を出てから、一度も食べ物を口にしていない。 喉を通ったのは、地面に溜まった泥水だけだ。 受けた拷問の影響で空腹には慣れていたが、歩き続けていることもあり限界が近かった。 大人たちは、今でも僕を探して森中を駆け回っているのだろう。 僕の両親を殺した男のセリフが頭に浮かぶ。 彼は縛られた母親の髪に火をつけながら「悪魔の親が」と言って舌を打った。 『生きる災い』 村の人たちは口を揃えて僕をそう呼んだ。 見るたびに暴力を振るい、罵詈雑言を浴びせた。 怨恨を感じ取ることはできたが、嘲りなどは一切感じられなかった。 心から僕を恨んでいたのだろう。   僕と関わりを持った人たちはみんな『不幸』になった。 ある人は不治の病になり、やがてその病気は流行病となって村人たちの命を奪った。 僕が畑仕事をした翌年には虫が大量に発生し、蝗害となって食糧難が訪れた。 友人は雷に打たれて命を落とし、幼い頃に思いを寄せていた女の子は賊に連れ去られて行方をくらませた。 「誰かを幸せにしたいって、そんなに贅沢な望みかな」 黒い雲が張り詰めた空を見上げて呟く。 雨粒が額の上で弾けた。 雨が降ってきたらしい。 身体は冷えていく一方だが、しばらく飲み水に困ることはなさそうだ。 指に嵌めた父親の形見を見る。 殺される前日にくれたものだ。 僕が生まれた日に母親にプレゼントしたものらしい。 大切な人ができたら、その人の指に嵌めてやれと言われたことを覚えている。 きらりと光る鉛のようなこの装身具の名前を僕は知らない。 けれど父親から話を聞いて、これを指に嵌めることで誰かを幸せにできることは知っていた。
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ハイファンタジー[ファンタジー] 残酷な描写あり
最終更新日:2023年12月31日
オリジナル戦記 冒険 ラブコメ シリアス ダーク 男主人公 123大賞4 読了時間:約19分(9,310文字)
短編
捜索願を受けた主人公は、夜中に一人で山道を登っていた。
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ホラー[文芸]
最終更新日:2021年05月08日
怪談 読了時間:約9分(4,230文字)