家族を殺した相手への復讐という目的を果たすためにだけに生きていた主人公〈空木櫂人/うつぎ・かいと〉は、閉店間際のスーパーで〈伊吹澪/いぶき・みお〉という美しい女性に出会う。
それから何日かたったある夜、暗がりで男性と揉めていた澪を助けた櫂人は、その礼にと彼女の家に招かれ、彼女の正体を知ってしまう。しかし、櫂人もまた澪には知られたくない秘密を持っていた。
人を喰らって生きる吸血鬼と、それを討つ処刑人であった二人。決して交わってはならないのに、ひょんなきっかけからお互いに正体を隠したまま食卓を囲む仲になってしまい、奇妙な絆を深めることになった。
幼い頃に家族を失い、処刑人になるための訓練に明け暮れながら生きていた櫂人は、澪に接することで人の温もりを得て、人間として当たり前の感情を取り戻していく。澪もまた、櫂人に食事を振る舞うことで長年の孤独で冷えた心を癒されていた。
しかし、ある願いを叶えようとしたために澪が体調を崩し、櫂人の正体も明るみになってしまい、とうとう秘密の関係も限界を迎えてしまう。
互いに深く触れることができない二人は、最後に気持ちが通じ合ったものの、悲しい結末を迎えることになった。
ふたりが終わりを迎えたあと、吸血鬼の処刑人、執行官を動かしていた大いなる意志の一端が明らかになり、櫂人自身も知らなかった彼の隠された事実が明かされる。
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