道具、建造物、文字――人間の作り出したモノが一度利用されれば、消えてなくなるようになった世界。モノがこれ以上増えることはなくなり、世界は段々と空虚になっていく。
緩やかに衰退を始めた世界での日本のとある離島。その島に住む高校三年生、穂海圭一は一ヶ月経ち消失現象に慣れたものの、この世界でこれからどう生きていくのか、どう過ごすのかがわからないでいた。あるとき、圭一の元へ一通のラブレターが届く。圭一が読み終えると文字はラブレターから静かに消えていった。しかし、そのラブレターには、差出人の名前が何故どこにもなかった。
一体誰がくれたのか。
この終末世界でラブレターを出した意味は何なのか。
圭一は終末世界で差出人の少女を探し始める。