高校2年の夏、家の都合で引っ越した先で『魔女』に出会った。
話に聞いたことはあっても、実物に会うのはそれが初めてだった。
その『魔女』はいつも無表情で何を考えているのか分からない。
せっかくの『魔法』も中々使おうとしない。
だから俺は思った。
彼女の持つ『魔法』の力で何か大きなことは出来ないだろうか。
もちろん俺自身の力ではないし、彼女が嫌がるのであれば無理にとは言わない。
それでもその無表情を崩せるような、いいや、彼女が笑顔になれるような、そんなことが出来たら。
――なんて、それはさすがにお節介というものだ。
だけど彼女は暇つぶしに付き合ってあげると言ってその提案を飲んでくれた。
暇つぶしだろうがなんだろうがそれでもかまわない。
いつか彼女の笑顔を見れますように。
そんな不純な動機で立ち上げたこの『魔女の私が解決しましょう!』という名前のお悩み相談室に、はたしてどんな依頼が舞い込んでくるのやら。
――
初めての小説なので拙い部分もあると思いますが、少しでも楽しんでもらえれば幸いです!