最新型フルダイブ型VRMMORPG、『ブルー・フラグメンタル』。
これは、様々なプレイヤーが好きなときに、好きなようにプレイできる、オープンワールド製のファンタジーゲーム。
これによって世界はゲーム一色となり、年配には「害でしかない」と抗議が上がるも、このブームはそんな事で止まるモノではなかった。
──これはもう、誰にも止められなかった。
決して、誰にも。
そして彼、和紗翔太──カズサもまた、このゲームに魅了された一人。
カズサは、引きこもり仲間のエイジと共に『ブルー・フラグメンタル』をプレイしていた。
そんな時だ。不意に、カズサは思ってしまった。
──高レベルダンジョンに、入りたい。
この気持ちは、中級者の彼らには日常茶飯事であった。
高レベルダンジョンに入りたい。これは、自身の力の過信によって起こる慢心が影響。
慢心した中級者は高レベルダンジョンに入り、死ぬ。
アイテムをロストさせ、プレイを辞める。良くあることだ。
こうして、見事に高レベルダンジョンで敗れたカズサたちは、自身のステータスを見て気付く。
ステータスが、『バグ』っていることを──。
『バグ』を隠して高レベルダンジョンに挑む、中級者プレイヤーの物語。