橋本聡は高校一年生。実家を離れて、学生寮で生活している。 　夏休みに入る少し前から体調を崩すようになった。双子の姉、萌波がそれを察知したのか、聡の学校へと訪ねてこようとしていた。 　夏休み期間に寮の改修工事が行われるので、実家で静養させたいと願う両親の代わりに説得をするつもりらしい。 　ところが、聡の家庭教師が同居を快諾してしまう。 　その頃、聡は毎晩妙な体験を重ねていた。

　小西優大は、スーパー鈴木の青果担当営業をしている。 　自作の弁当を食べる場所に悩んでいると、フレッシュ青果センターの所長が事務所を提供してくれた。 　事務所ではいつもお茶を頂いている。この春から、お茶係が新人さんに代わった。 　この新人さんは、毎回優大の弁当を何故かじっと眺めている不思議な子であった。

市倉透と小西大樹は高校二年生。透の妹、智恵美は中学一年生、大樹の姉、夏美は短大二年生。家が近い彼らは、昔からいつも一緒に遊んでいた。 智恵美が中学へ入学して、初めての夏休みがやって来る。

　小西夏美の弟、大樹の親友の市倉透が日曜日の朝に弟を迎えにやって来たが、大樹は携帯を家に置き忘れて朝早い時間に出かけてしまっていた。 　透が持っている映画の前売り券二枚は本日が最終日。大樹の代わりに誰かを誘いたいと二人は頭を悩ませる。

　高校二年生の市倉透は、親友の小西大樹と夏休み中に観るはずだった映画の前売り券の期限が切れてしまう事に当日の朝になって気付いた。　 　急いで大樹に連絡を取ろうとするが、つながらない。時間に間に合わせようと透は小西家へと急ぐのであった。