過ぎたる力は、器を壊して暴走し、世界を滅ぼす。 長命な龍種や大賢者（エルフ）がいまだ強い存在感を示す世界、エーデルシュタイン。 精霊の加護をうけて日々を営むこの世界においても、“彼ら”は異端だった。 エーデルシュタインの東にある大陸では、いつ内側から破裂するかわからない“彼ら”を監視し、暴走しないように仕事をふりわけることにした。 “彼ら”は人と化け物の狭間で孤独を甘受し、どこの国にも属さず、世界から監視されながら、今日も生きている。

海の向こうのハッバス帝国と一触即発の状況にあった水の国セレナは、ついに戦へと突入する。 その直接の契機となったのは、水の国のアリシア姫だった。 水の精霊に愛された彼女を、好色なハッバス皇帝が欲したのである。 戦の原因になったと自分を責めるアリシアを拾ったのは、隣国の宰相ルシアスだった。

ルシアス×アリシア。新婚編のR-15番外。

武を重んずる風の国に生きながら、ラドモントは荒事が性にあわない。 自分の立ち位置を決めかねていた彼は、教育係のすすめによって竜の医者を目指す。 時おりタチの悪い嫌がらせをうけながらも比較的おだやかな学生生活をおくっていた１３才の夏。 ラドモントは竜の水浴場で美しい女性の幻を見て… 風の国シリーズ第２章。「宰相は死にたがる姫君を愛する」の続編ですが、単体でもよめるように変更しました。 主人公のラドモントが主になるのは、1と21以降になります。