「君はもう、用済みだ──アムル」
苦難の末、魔王を討伐した賢者アムルは、相棒だった勇者に裏切られ、投獄されてしまう。彼は暗い牢獄の中で300年間封印されていたが、それを破ったのは、黒き龍と戦う、一人の少女、フェリシアだった。
胸に秘めた真の目的を果たすため、勇者になることを望むフェリシア。アムルは、少女の執事となり、目的達成のために力を貸そうと決める。
しかし、勇者に選ばれる候補としてもっとも有力なのは、王国随一の大貴族の長男、ホルストだった。
権力を盾にし、勇者の座を奪おうとするが、王国の支配者──聖王が正式な勇者の候補として指名したのは、フェリシアの方だった。
しかも、聖王と名乗っていたのは、かつてのアムルの相棒、裏切り者の元勇者、ランスロットだった。
罠かもしれないが、望むところだ。
フェリシアの望みを叶えるため、そして自らの復讐を果たすため、アムルは最強賢者としての手腕を存分に振るう。
新たな相棒を、必ず〈成り上がらせ〉てみせよう。
(※旧題:『学園ダンジョン無双譚〜勇者の元相棒、裏切られた新1年生の最強賢者は、300年分の魔力を取り戻したので、復讐がてら新しい相棒を最高の勇者に「成り上がらせ」たいと思っている。』の改題・改稿版となります。)