濁った池の中で孤独に生きる魚と、群れとともに空を渡る鳥。 本来なら捕食者と獲物という関係のはずの二者は、ある雨の日に出会い、言葉を交わす。 魚は生まれてからずっと汚れた池で生き、同族を見たことがない。鳥は獰猛な仲間たちの狩りに馴染めず、魚を食べたことがない。
互いの境遇を語り合ううちに、二人は奇妙な友情を育んでいく。 ある日、鳥の群れが異変に気づく。「魚を食え。さもなくば、お前の翼を折る。」――そして、鳥は自殺する。空から池へと飛び込み、一瞬だけ、本当に魚になった。
シリアス ほのぼの ダーク 人外 バッドエンド BE 寓話
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