トラックに轢かれた少年が、一度終末を迎えた後の未来で目覚めて生きていく話です。
なお終末なのは雰囲気だけなので、ディストピア感は薄目の近未来ファンタジー。
SFにもメカにも詳しくない作者が書いたので突き詰めるとボロがでます。
設定が半端すぎてタグが怪しいので「こっちだろ!」というものがあれば教えていただきたいです。
R-15は念の為程度の予定です。明確なGL/BL要素はないつもりですが、愛の形に拘らない作者が書いているのでほんのり要素はあるかもしれません。
-------
主人公の山崎寅冶(やまざき とらじ)は現代日本の高校生だった。
学校生活も私生活もそれなりに、幼馴染・友人には恵まれ、趣味のラノベを読んだり流行の曲を聴いたりと、いわゆる恵まれた『普通』を生きていた。
そんな彼の『日常』を崩壊させる、大きなトラックの鋭いブレーキ音。
厳つい鉄の塊が目前に迫り来る様子が、気の強い彼女の驚いた顔が、いつも飄々とした彼の目を見開いて何かを叫ぼうとする顔が、良く晴れた青い空を飛ぶ小鳥が……――全てがスローモーションになり、一瞬にして目の前が赤黒く染まった後、暗転。
そして、
『70%……80%……90%……97、98、99、起動成功しました』
『おはようございます、トラジ。』
「おはよう、『トラジ』?」
目を開けると、天使が顔を覗き込んでいた。