「……あぁ」
──もう、ここまでか。
一人は、白銀に染まる荒地の地に伏せる。
「……みん……な……」
──どうして、先に行っちゃうの……?
一人は、鮮血に染まった大地に伏せる。
その2人、愚者と勇者に手を差し伸べる者がいた。
「──こいつァ……とにかく、連れていくぞ」
愚者は緑の服を纏った兵隊に。
「──ねぇ、あなた。【転生】してみない?」
勇者は金の羽衣を纏った女神に。
─────そして─────
【高魔が丘高等学校。とある教室。】
愚者は頭を抱え、机に伏していた。
────
「──我が名は間陽野十乃華!! クラスメイト諸君! ドブラエ・ウートラ!!(おはようございます!!)」
「うわ……来たぞ」
「相変わらずの厨二病……キモすぎ」
「誰かアイツを黙らしてくれよ……!」
「ふっふっふ……どうとでも言うといい!」
厨二病に成り果てた愚者は、クラスメイトの全員から引かれていた。
────
「うぅぅ……」
──イタい……イタすぎる……!!
……時の事を、思い出していた。
【高魔が丘市某所。】
「──帰って来た、のかな。」
勇者は見知らぬ地に降り立ち、以前見た世界と様変わりしていることに驚いた。
────
これから、愚者と勇者の普通でいて普通でない物語が始まる。