公爵令嬢ユリア・ガーランドは「絶世の美女」と呼ばれながらも、会話が苦手なコミュ障だった。 　 ある日、婚約者である第二王子エリアスから婚約破棄され、聖女を階段から突き落としたという罪で断罪されてしまう。しかしコミュ障であるユリアは自身の無実を主張できなかった。 時間が巻き戻り二度目の人生を送ることになったユリアは、断罪を回避するため「地味子」になりコミュ障を克服しようと決意する。 　 しかし今度の人生では関係のないエリアスが、なぜかユリアのコミュ障克服の練習に付き合ってくれるようになって……！？ ※1万字程度の短編です。

レッドフードと呼ばれる人狼専門狩人のクロードに告白した、村人のアン。 このときのため相手に好かれようと努力していた彼女だったが、彼から自分は獣人好きの「ケモナー」であると言われてしまった。振られたと思ったアンだったが…！？ ※さくっと読める短編です。

　地方領主の娘でありながら魔力がないせいで家族から冷遇されていたヴィオラ。 　家を追い出されシュネー＝メルツという名の小説家になったものの、スランプになり書けなくなり、作家を辞めようか悩んでいた。 　ある日、血も涙もない心まで凍っているという噂の“氷の騎士”ことアレクシスに助けられ、彼の屋敷で介抱を受けた彼女は、彼が自分をずっと応援してくれたファンであることを知る。同時にヴィオラの事情を知ったアレクシスから「ここで書け」と言われ、屋敷から出られなくなってしまった。 　はたしてヴィオラは新作を書き上げ、アレクシスのもとから逃げ出すことができるだろうか！？ 　スランプ作家が自分の強火ファンである騎士にビビリながら、書きたいものを見つけるお話です。

「約束するよ。俺は必ず帰ってくる。帰ったら一緒に暮らそう、リリス」 　 魔王が世界を滅ぼそうとしていた時代、女神に選ばれた少年アスターは、友人のハーフエルフの少女リリスに約束を残して魔王討伐のために旅立った。しかしアスターは魔王を倒したものの相討ちとなり、死後、彼は勇者として讃えられることになった。 　時は流れ、リリスは魔王消滅後に勃発した大戦も生き延び、銀の魔女と呼ばれるほどの魔法使いとなったものの森の屋敷に引きこもる毎日を送っていた。 　そんな彼女のもとに、勇者の生まれ変わりがオークションに出品されたという情報が伝えられ、彼女はその少年を買い取ってしまう。 　勇者の生まれ変わりの少年、シオンは前世の記憶を一部しか思い出しておらず、普通の生活に戻りたいとリリスに前世の記憶を消してくれるように頼んできた。リリスは、今生では勇者の使命に振り回されずに幸せになって欲しいと彼の願いを叶えようとする。 　しかし一緒に暮らすうちに、シオンにアスターの面影を見てリリスの心は揺れてしまう。シオンもリリスと一緒にいるうちに前世の影響が表に現れだして…。 　 　長生きをしたハーフエルフと彼女の思い人の生まれ変わりの少年の、前世の記憶を巡る物語です。