大人気VR リアル人狼ーゲーム「ジンロー」がついに発売。
主人公である真人は、一年前からジンローの先行体験版を毎日やっていたいわゆる"猛者"であり、この時をまっていたと言わんばかり即買いし、早速ジンロー世界に飛び込んだ。
世界に入るとたくさんのプレイヤーが大広場に集まっていた。
ふと真人はあることに気づく。
ログアウトボタンが先行体験版の位置にないことだ。
「君たちは選ばれしプレイヤーたちだ。」
見上げるとこのゲームの製作者である神上 守がホーム画面のモニター越しにしゃべっていた。
「私がこのゲームを作った意図は、絶望的状況下に置かれたとき人はどのような行動をするのか興味があったからだ。」
「メニュー画面にあったログアウトボタンが消えているのにお気づきだろうか。」
「私たち制作陣は、君たち一人一人のVRゴーグルをハッキングし、外部からの情報を遮断している。君たちは自由に現実世界に戻ることはできないのだ。」
「また、仮想世界で死ぬのと実際の死をリンクさせてある。人狼に殺されたら本当に死んでしまう。くれぐれも用心しておくように。」
「それでは頑張りたまえ。」
これが、ジンローというデスゲームのはじまりだった。