ある日、前世の記憶が戻ったソフィアは、ここが乙女ゲームの世界であることに気づいた。そして、自分がそのゲームの主人公に転生していることを知り、大喜び……ではなく、絶望する。
このゲームには、竜に変身する悪役令嬢、リスノワールがいた。
激昂した彼女に権力、筋力、魔力で殺されるエンドは数知れない。更には王子とハッピーエンドを迎えるルートでは、彼女が世界を滅ぼす大厄災として立ちはだかる。
貧弱なソフィアは一縷の望み賭け、攻略対象に接触しないよう地味に振る舞おうと決意した。そうすれば、リスノワールにも目を付けられないで済む……済んだらいいな、と。
しかし、入学してもリスノワールが見当たらない。不思議に思い、ポツリと溢した“リスノワール“という名前。次の瞬間、現れたのはリスノワールと似ても似つかない絶世の美男だった————