今まで何千もの人間を食らってきた狼男は、ある満月の日に赤ん坊を拾う。
自身の中に芽生えた小さな小さな好奇心から、彼はその夜から300回目の満月の夜の食事として、「それ」を育てることにした。
せいぜい鳥たちのように餌を与えるくらいでいいと思っていたら大間違い。それは何を食うかも分からず、腹が減れば聞くに堪えない声で泣き喚く。そのくせ心身ともに成長は遅く、狼男は「それ」に振り回される日々を送るのだった。
人を愛し、人を憎み、人を食らう狼男と、偶然拾った小さな生命との間で紡がれる、些細で儚い、いつかの日常。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2021年12月18日
日常 ファンタジー 人外 シリアス ほのぼの 西洋
読了時間:約10分(4,943文字)