逃げぐせのある俺、理介(りすけ)は女からの束縛がきつくなると耐えられず、ほかの女に身を寄せてしまう。これは浮気なんかじゃない。体目的でもない。生きるために、どうしようもないんだ。だけど誰も、このつらさをわかってくれない。
しだいに、詰め寄る女たちに殺意を覚えるようになった俺は、誰からも干渉されない独房で過ごす死刑囚ライフを夢想する。
そしてついに、同居していた空咲飛(あさひ)とシングルマザーの美咲(みさき)を殺害し、自分こそが彼女たちから支配されていたと主張するが、反省が見られないとして死刑を言い渡される。
そこへ現れた謎の女・永遠子(とわこ)と獄中結婚し、新婚生活が始まるが、突然離婚を突きつけられ、教誨師である牧師から思わぬ情報がもたらされる。
教誨師とも喧嘩別れした俺の独房の前で、ある朝、複数の靴音が止まった。いよいよ死刑執行かと身を固くした俺に告げられたのは……。