「たったひとつを愛することが、罪だなんて思わなかった」――いつからか世界に蔓延り始めた、歪で醜悪な怪物「アリューラ」。けれども人々は誰もその異形に気づくことなく、侵食は確実に広がっていた。そんな中、過去を見つめて生きる少年はふとした弾みで、日常に潜む異形の怪物の存在に気づいてしまう。終わりを迎えた退屈な日常の代わりに少年に与えられたのは、かつて確かに持っていた筈の絆と、アリューラに対抗出来る唯一の存在「メム」だった。失くした平穏な過去を探し求める彼は、否応なく戦いに巻き込まれていく。――悠久の時、永久未来の始まりに、神の子が犯したただ一つの過ち。それが為に滅びゆく世界で、少年は魂の緒に導かれ、再び自らの宿命と出会う。