24歳の中山裕介(ユースケ)は現在無職のニート。
彼はうつ病を患っているが、大学進学後は比較的症状は安定していた。
しかし、大学4年の時に声優志望の女性に一目惚れした事で、状況は一変する。その女性とコンタクトは取れないかと連絡先を訊くも体よく断わられ、この出来事も一因となり、裕介に再び病の症状が忍び寄る。遂には大学卒業後に派遣社員として勤務していた職場でも、病を理由に偏見を持たれ解雇されてしまい、学生時代の友人とも音信不通となってしまう。
病の症状と時間、孤独だけが残った裕介だが、無職となって3ヶ月後のある日、テレビでタレントとしても活躍する男性放送作家を目にした事がきっかけで、放送作家を志望すようになる。
だが、養成スクールに通う資金もない裕介は、友人の夕起、本名、渋谷文夏(しぶたに あやか)に連絡を入れる。彼女は元人気風俗嬢で、引退後は小説家に転身し、テレビなどのメディアで活躍している。
裕介の頭にあったのは、「メディアの世界にいる夕起に話せば何とかなる」だけ。全くの他力本願だった。そんな彼の態度に我慢ならなかった夕起は、自分が勤めていた風俗店に裕介を「監禁」し、「本気で放送作家に成りたいのなら、ここでひたすら企画書を書け」と命じた。
初めは狼狽する裕介だが、これは夕起の慈愛だと再考し、一念発起する。裕介の改心を認めた夕起は、友人の女性放送作家を紹介し、その作家の伝により、遂に放送作家事務所への入所が決まる。
新人放送作家、中山裕介の前に現る諸先輩を含める灰汁の強い面々。次々に出される難題を、気紛れにつき愚鈍な裕介は、どう対処して行くのか。
引っ込み思案で生真面目で人が好い……裕介の遅咲きの青春が始まる。
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