人間だった前世の記憶を持つセミ。 羽化するために土の中から出ようとするが、地上に道路が敷かれコンクリートに阻まれ死んでしまう。 幽霊となったセミは、他のセミが死んで成仏する所を目撃する。なんで俺は成仏できないんだと悩んだ。 そこにセミ取りに来た3人の少年。楽しそうに騒いでいるが1人の様子がおかしい。 その子は幽霊のはずのセミの姿が見える。セミはその少年と不思議な夏を過ごしていく…

どんどん土は乾いていく。 どんどん根は乾いていく。 そんな事は誰も知らない。

ただただ繰り返される日常に鳴ったポロロンという音。

運命って盾にするには便利な言葉だ。 インスタントフィクション。

葉っぱの間から差し込む光。 時に優しさは焦がしてしまう。 それを知って、また隠れる。

雨っていつも飛び下りてるみたいだ。 長い距離を落ちてきて、雨音の叫びをあげる。

ふと見た川は汚かった。 でも、泡立つ白はより目立った。

なぜ、みんな登りたがるのか。 下にいれば水は流れ落ちてくるのに。

インスタントフィクション。 いつも通りの教室。退屈な今日。 消しカスを丸めて投げた。「違う」日常に。

この世とあの世と、また次の世はあるのか。