タイムマシンが実用化してから、十五年が経つ。
二〇四五年の日本大阪。警察組織は一般犯罪を取り締まる【日本警察】と時空犯罪を取り締まる【時空警察】に分かれていた。
月野雪菜は現役の時空警察官からの推薦で時空警察官となった。雪菜を時空警察官に推薦した黒須信明は、雪菜をタイムトラベル事業が始まった二〇三〇年に派遣させた。そこで雪菜は籠野武という時空犯罪者と出会う。彼は過去に戻って、競馬で不正に稼ごうとした。彼には不思議な点があった。タイムトラベルのルールに、タイムマシンには物は持ち込めず、確保した時に所持していたお金の出所が不明。事件解決関係なく、時空犯罪者は元の時代へ移送される為、雪菜は二〇三〇年で捜査にあたる。しかし、タイムリミットが訪れる。何も解決できないまま、捜査は打ち切りとなった。納得いかない雪菜は捜査を続行するも、二〇四五年に戻るよう告げられた。
二〇四五年。世間で騒ぎになっている日本警察官不祥事事件。現役の警察官が立て続けに問題を起こしていた。全員が揃って無実を主張し、全員が【赤い目の人物】を見たと話す。
その渦中にいた夏目陽介は時空警察へと配属となった。不祥事を起こした日本警察官のほとんどが、時空警察の異動を断った。陽介は実績を挙げ、日本警察に戻るつもりでいた。
時空警察第二室に所属することになった陽介は月野雪菜と出会う。出会って早々、雪菜から辞職を勧められる。理由は初めての時空犯罪に関わって知ることになる。時空犯罪の探知を受け、現場に急行する雪菜と陽介。未来から来た男性は、この後起きる大阪駅の大事故に巻き込まれる恋人を救いにやってきた。それは歴史を変える行為であり、許されることではなかった。
命を救いに来たという男性の確保を躊躇する陽介と、関係なく確保にあたる雪菜。歴史改変はどんな罪よりも重い。
時空警察官として歴史を守る月野雪菜、命と歴史を両方守ろうとする元日本警察官の夏目陽介は衝突していく。
そして、フルーツバスケットが完成する時、二人の運命が動き始める。
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