この世は「箱庭」。
「箱庭」の創り主が望む「箱庭」であり続けるよう、箱庭に生きる「人」を導く役目を受けて箱庭に遣わされた、「人」とは違う理(ことわり)で生きる、箱庭の管理人である「導師」。
その導師のひとりで200歳になろうかという「導師 アシア」が、アシアの師であり、育ての母でもある「導師 ノア」の遣い途中で、まだ幼い「人 ノィナ」を意図せず奴隷商人から買ってしまう。アシアは名無しという意味である「ノィナ」に「ディフ」と名付け、アシアがノアとともに居を構えている「オウカ国」へディフを連れて戻る旅の途中で、導師への感謝の逸話がはるか昔から語り継がれているという村に住む「人 セドリック」と出逢う。
アシアは、人を導くべく創造主からの命でこの箱庭に降り立ったにも関わらず、人からの裏切りなどにより人への失望感、それにより人と積極的に交わろうとせずに生きてきていた。けれどもアシアはなぜか「人 セドリック」に惹かれ、彼に誘われるがまま、しばらくその村に滞在することとなる。
村で過ごす中、アシアはセドリックの人柄に触れ、ゆえに彼に友人関係を求め、また村人との交流から、アシアはこの村で導師としての役目を果たしたいと強く願うようになる。
アシアの従僕として買われたディフは、その生育歴から「導師」の意味の理解がないまま、アシアに顔も知らない亡き父を重ね、アシアに父を求めていく。
セドリックを始めとした村人との交流、そして「導師 アシア」に買われた「人 ノィナ」との関係を思い悩むことで、厭世的だった『導師 アシア』の世界が色づき、静かに動きだす物語。
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