「道化よ。我が娘を笑顔にするのだ。失敗すれば、国外追放……いや、断頭台に並ぶ事となるぞ」
たいそう可憐な王女がおりました。名はサーシャといい、勉学に優れたとても大人しい娘で、将来を期待されていました。しかし、彼女が12の歳に不治の病にかかってしまいました。病の発作は呼吸を止め、声を止め、果ては100回発作を起こせば死んでしまうというものです。
王は王女の病の進行を止めることが出来ませんでした。せめて、最期くらい笑顔で天国へ行って欲しいと思い、仕事を果たせなければ、追放どころか、処刑することを条件に道化を呼びました。
道化は、王女との対話を通して、王女の本当の望みを知るのでした。
道化は、いったいどのようにして彼女を救うのでしょうか。
身分も歳も越えた恋の前日譚。
心を広くして読んで頂けると幸いです。